皆さん、こんにちは。
マリンバイクスジャパン「D」です。
今日は、マリンバイクスの中で大人気商品であるNICASIO SE・NICASIO BLACK EDITIONがどうして、どのようにして誕生したのかを皆様へご紹介させて頂きます。
実は、NICASIO・NICASIO+と深い関係がございます。
歴史(誕生秘話)を知る事でより皆様に興味を持って頂けたら幸いです。
あまり表舞台に出てこない、NICASIO SEを企画した弊社プロダクト担当者「O」へ聞いて来ました!
直接書いて頂いた方がより伝わると思いますので、「O」に直接書いてもらいます。
下記、プロダクト担当者のコメントです。
↓↓↓
皆様、はじめまして。
MARIN JAPAN MODEL全般を企画しております「O」と申します。
少し私しの自己紹介させて頂きます。
私は、以前のMARIN BIKES代理店でしたファン・ファンシーでMARIN BIKES・オリジナルパーツの商品企画を担当しており、2018年よりMARIN BIKES JAPANのプロダクトマネージャーとして転職いたしました。
2011年からマリンバイクの日本企画・製作に携わっていましたので、そのノウハウを買われ現在もMARIN BIKES日本限定モデルを企画・製作しております。
マーケティング担当「D」より、NICASIO SEはどうして誕生したのか?を皆様へお伝えした欲しいと依頼を受けましたのでどのようにしてNICASIO SEを企画したのかを書かせて頂きます。
文字はあまり得意ではありませんが(笑)….もし誤字脱字があった場合はご了承ください(汗)
是非、ご覧ください。
ここから
2012年~2017年頃、国内「ロードブーム」で細身のタイヤを装着したドロップハンドルバーが主流でした。
マリンバイクスは「マウンテンバイクブランド」ですので、ロードブームの時も変わらずマウンテンバイク・クロスバイクをメインで発売しておりました。
そんな中で、2017年にMARIN BIKES(アメリカ)から「NICASIO(二カシオ)」という新商品が発売されました。
NICASIOは、カリフォルニア州マウン郡に存在する地名の名前です。
人口は600名~900名ほどの小さな町ですが、広大な土地の中で牛が放牧されているような、のどかでとても美しい場所です。
*NICASIOは、現在も販売しておりますオールロードバイクです。
2018年 NICASIO BLUE
2016年アメリカの本社で新商品発表会の際、NICASIOの説明を聞き実際の車体を見ました。
4130クロモリブデンフレーム・クロモリブデンフロントフォーク
*ロードバイクジオメトリー
*「シナリ」が非常に多く、剛性が非常に高くクラックが入りにくいのが特徴
*メカニカルDISCブレーキを採用(この当時では、ロードバイクでDISCはまだ珍しい時代)
*700×30cを標準装備(この当時では、ロードバイクでこの太さは珍しい時代)
*1回のライドで150km以内を想定して企画したスペック
*軽いオフロードでも走行可能
などが特徴でした。(*当時のプロダクトノートから参照)
説明を受ける中で僕が一番気になったのが、「700cホイールから650bホイールにも変換出来る」という事でした。
そして、650bにした時のタイヤクリアランスが最大47Cまであるという事でした。
元々、BMXとマウンテンバイクを乗っていた事もあり「ロードバイクでコンパチが出来る!?」というのは当時の僕からしたらとても衝撃でした。
ロードバイクのようにも乗れて、ホイールを650b交換すればマウンテンバイクのように山道でも走れるというとても画期的なバイクでした。
このバイクにクロスバイクの要素を入れたいとミーテイングの時に感じ、日本へ帰国後に日本限定モデルのスペックを作り始めました。
これが、
です。
最初のコンセプトは、「初心者向けのフラットバー・ツーリング バイク」でした。
*クロスバイクの用に街中で乗れる事
*細身のフレームに、少し太いタイヤを装着させてストリート感を出させる事
*街中の段差など気にせず、安定して長距離を走れる事
*平日は通勤・通学に、週末は100km以内のツーリングを楽しめる事
ハンドルバーはフラットバーにし、ホイールは650b+タイヤは僕が長年愛用していたWTB HORIZON650b×47cを装着させる…
後々、ロードバイク使用にも変身出来るように、コンポーネントは、シマノCLARIS(8s)・フロントは2s(50T/34T)……、サイドスタンドを装備させる…….
約半年ほどの時間をかけて模索しながら2018年にNICASIO SE(初号機)が完成しました!
2018年モデル(MAT.BLACK)
先にも書きましたが発売した当初は、細身のタイヤを装着させたロードバイクブームで、ロードバイクジオメトリー・コンポーネントで太いタイヤを装着させているNICASIO SEは、最初あまり販売店様からの反応は良くない印象でした。
発売当初から2019年頃まで頻繁に販売店様に立たせて頂き、1人でも多くのユーザー様へ試乗頂き、少しづつファンを作って行きました。
発売して行く中で、少しづつ取扱いして頂ける販売店様も増えて行く中で色々なレビューを頂きました。
「もう少し街中向けのクロスバイクに近いスペックにして欲しい!」
2020年モデルより形にしました!
色も8色展開に増やし、コンポーネントをシマノALTUS(8s)に変更・フロントギヤを街中向けのシングルギヤに変更しました。
サイズも、50cm・52cm・54cm(3サイズ)だったのを、47cm・50cm・52cm・54cm・56cm(5サイズ)に増やし、身長が低い方から身長が高い方まで乗れるようにしました。
2020年モデル MAT.TURQ
同年に、「NICASIO SEをカスタムしたらこんなバイクに変身する!」という新しい企画にもチャレンジをしました。
実際カスタムしてみないと、どのような姿になるかはわかりません….
販売店様は、メーカーが発売している使用で店頭に展示して頂くのが一般的ですが、
コンセプト・テーマを決めて、カスタムしたバイクを店頭に並べて頂ける事が、
「ユーザー様がよりカスタムした後のイメージを持って頂けるキッカケになって頂けたら」と考えました。
「NICASIO SEを街中用にカスタム」
NICASIO CUSTOM SE
*ハンドルバーを内側にベンドさせる
*フロントキャリアを装備
*リヤキャリアを装備
2020年モデル MAT.GREY
「NICASIO SEをツーリング用にカスタム」
NICASIO DROP SE
*ドロップハンドル装備
*リヤキャリアを装備
2020年モデル MAT.SILVER
この企画は、最初から1年限定でやろうと考えていましたので2021年以降に追加生産はしませんでした。
このチャレンジが、少しづつNICASIO SEを人気商品となる火をつけてくれたと感じています。
そして、このタイミングで、色々な雑誌社にも掲載して頂けるようになり、某CMにも起用して頂けるようになりました。
そんなタイミングの中で、2020年より少しづつ「グラベルロードバイク」というワードが、アメリカでも聞こえてくるようになりました。
そんな中でMARIN BIKESから発売されたのが、
NICASIO+でした。
先に日本モデルで発売していたNICASIO DROP SEに近いモデルを全世界に発売しました。
この時に、「初心者の方が、NICASIO SEでもっと山で遊べるバイクに進化させよう」と考えまして、
2021年にアップデートさせました!
*前後油圧ブレーキにアップデート
*フロントシングルギヤを、ナローワイドチェーンリングにアップデート
現在のコンセプトは、
「1台で2通り以上の乗り方が楽しめるバイク」
です。
2021年モデル MAT.MUSTARD
2022年モデルからは、「エルゴタイプのグリップ」を標準装備し、長距離ライドの際もより手が疲れにくくしました!
2022年-2023年モデル MAT.TAN
2022年から発売したNICASIO BLACK EDITION
よりストリート感を味わって頂く為に、WTB HORIZON650b×47cオールブラックタイヤを採用しました。
その他スペックは、NICASIO SEと全く同じ仕様にしております。
タイヤ色が変わるだけでも、雰囲気が変わります。
これは、アパレル・シューズから参考にしております。
2022年モデル BROWN/GREY
2023年モデル MAT.RED
今では、男性・女性多くの方がNICASIO SEをご愛用して頂いています。
バックを装着されたり、部品の色を変えたりとインスタグラムでお客様のNICASIO SEをよく拝見いたします。
自分のスタイルにあった形に変身させて頂ける事が、企画者にとってもとても嬉しい事です。
ありがとうございます。
私が商品企画をする際に一番気を付けているポイント・大切にしているポイントは、
「流行だけでバイクを作らない」
「MARIN BIKESが新しいトレンドを作る」
です。
日本限定モデルは、
*街中で乗れるバイクである事(クロスバイク)
*MARIN BIKESが使っているフレーム・フロントフォーク(リジット)を使用する事
を決まり事としています。
MARIN BIKESは完成車メーカーと思われている方が多いと思いますが、実はフレームメーカーです。
そのフレームを使い、コンセプト・テーマを持ち、より日本の市場にあったスペックでバイクを企画する事が重要だと考えています。
ブランドの歴史・拝見を尊重しながら、ユーザー様にこんな風に乗ってもらいたいとイメージしながら商品企画を行っています。
MARIN BIKESは昔から「山の匂いがするブランド」です……..
初めてMARIN BIKES本社があるカリフォルニア州マリン郡に行った時にそう感じました。
大自然の中で、暑い日刺しだけど心地よい風が吹いている中で自転車に乗っている…..
NICASIO SE・NICASIO BLK EDITIONは、
街中で乗っている時には、ストリート感の匂いを味わう事ができ
週末山や海に乗っている時は、自然の匂いを味わって頂けたら幸いです。
そして、
「お客様により想像力を持って頂けるバイクである事」
が重要であると考えています。
「どんな風に乗ろう、どんな風にカスタムしよう」
などNICASIO SEを購入して頂いた後に、更にワクワクして欲しいと考えています。
これが、NICASIO SEが誕生した時から今に至るまでと企画者としての想いです。
以上です。
皆さん、如何でしたでしょうか?
普段、なかなか聞く事が出来ないNICASIO SEのヒストリーでした。
1人でも多くの皆様がNICASIO SEに興味を持って頂けたら幸いです。
マリンバイクスジャパン
マーケティング担当「D」